先輩看護師の実習記録インタビュー
先輩看護師の実習記録インタビュー

第4回 在宅看護論

今回インタビューを受けてくれた先輩
Kさん
・お住まい:東京都
・年齢性別:20代男性
・対象実習:在宅領域

先輩看護師の実習記録インタビュー

●情報収集の大切さ


在宅実習は、他領域の実習とは異なるポイントが多いのではないかと思います。戸惑ったことなどはありましたか?

そうですね。3週間の実習期間中、 対象患者さまに会える時間がとても短いのが在宅実習のネックになる部分かと思います。
僕が担当した患者さまは、1週間のうち2時間と決まっていました。当初「たった2時間か……」とは思いましたが、事前に学校の先生からも時間が短いことは聞いていたので、限られた時間の中で、どう情報収集をして、アセスメントしていくかということを意識して臨みました。

具体的にどのようなことを意識されたか、教えて頂けますか。

カルテは事前に見ることができたので、カルテの読み込み・把握に注力しました。具体的には、まず、カルテから患者さんがどういう疾患をお持ちで、なぜ在宅看護を利用されているのかということを把握した上で、自分なりに問題点を挙げておきます。次に、実際に訪問し、患者さんにヒアリングさせて頂きますが、その際の僕の発言に対して、相手がどのようなリアクションを取るか、ということを観察し見落とさないようにしています。

患者さんのリアクションが大切ということですね。そこを大切にされる理由は?

これは在宅看護に限ったことではないのですが、何気ない一言の中に、患者さんの本音が詰まっていたり、深い意味があったりすると常々思っているからです。

なるほど。そのリアクションという点において、今回の対象患者さまの場合はいかがでしたか。

一人暮らしの80代女性の患者さまを担当しました。リアクションではないのですが、当初カルテから把握していた情報だと、単独での歩行は困難だろうと想定していたのですが、ご自宅に伺うと、広い庭に色とりどりの植物があって、リビングにはアジサイの花が飾られていました。歩行が困難なはずなのに、庭のお手入れが行き届いているし、庭に咲いていたアジサイが飾ってあるということは、それをしてくれる誰か--日々の生活を手助けしてくれる誰かがいるのかなと思いました。

おお! 推察していますね!

事前学習で先生からよく言われていたことが、「その患者さまの生活背景の重要性」ということでした。ヒアリングからその患者さまの生活背景を知ることも大切ですが、せっかくプライベートな空間にお邪魔させて頂くので、失礼のない範囲で生活環境を観察して、情報を引き出していくことも、在宅看護ならではのアセスメント方法につながるのかな、と思います。家具のちょっとした位置なども、その人なりの理由があったりすることが考えられますよね。

●患者さまのご自宅でのコミュニケーション


プライベートな空間、というお話がありました。患者さまのご自宅に伺う際のマナーなどで気を付けたことはありますか?

お邪魔させて頂く立場なので、礼節はしっかり守るようにしていました。その上で、相手の好みに合わせていくように心がけました。たとえば、話し方一つとっても、「この患者さんには、ちょっと砕けた感じで表現したほうが伝わるんだな」というようなことを、相手のリアクションから感じ取るように心がけました。とはいえ、友人ではないので、一線は超えないということは意識しました。

学生さんによっては、その「一線」がわからなくなってしまうケースもあるかと思います。

そうですよね。ただ、僕らは今学生ですが、訪問看護をおこなう立場からすると、患者さまからお金を頂いているわけで、それに見合った看護やケアを提供していかなければいけないのではないでしょうか。患者さまが「話し相手」になることを望んでいるのでれば、友達のようなコミュニケーションも絶対NGというわけではないと思いますが、全員がそういうわけではないですよね。相手が何を望んでいるのかを見極めることを、忘れないようにしています。

●在宅における看護・ケア


実際に、どのような看護をされましたか?

受け持ちの患者さんに対して計画していたケアが、とある理由があって実施できなかったので、ほぼ見学でした。とはいえ、計画からでも学ぶことが多かったですね。

具体的に教えて頂けますか?

僕は足浴を計画していたのですが、在宅看護の場合、「このお宅には、ラバーシーツがないからできないね。」とか「湯温計がないから、次回までに買っておいてください。」とはならないわけですよね。物品がなくても、限られたものを代用してケアを行う工夫が必要で、それを考えるのが難しくもあり、楽しくもありました。基本的なケアの方法があった上で、応用していくというのも、在宅看護ならではですよね。

病棟看護とは異なる点から学んだことはありますか?

「訪問医療」という点で大きな学びになったことがあります。例えば、目的地がAさんのお宅だとします。そこまでの道のりの中で、あの公園でよくBさんを見かけるのに今日はいらっしゃらないという異変に気がつき、近所でそのBさんの情報を収集、その情報から、地域包括支援センターの担当者にBさんのお宅に訪問してもらおう、という働きかけにつながったりすることを知りました。そのような「地域全体で多くの患者さんを見ていく」というモデル自体が魅力的だと思いました。また、そういうモデルが機能している利点として、近年起こった大規模災害の時などでも、「○○さんがまだ避難所に来ていないから、自宅に取り残されているのかも。救助を呼ぼう。」となって、助かった例などもあると聞いたことがあります。

そうですよね、そういう点は病棟での看護とは異なりますね。ほかにはありますか?

実は、実習に行くまで、在宅看護を毛嫌いしていたんです。

おお! なぜですか?

急性期医療と比べてしまっていて……。実習に行く前までは、「治らない病をケアする」「現状の機能維持」ということに、「意味があるのか?」、「やっていて面白いのか?」と感じていた自分がいましたが、今回の実習で思い直しましたね。

確かに、機能維持を目標としていても、長期間になればなるほど、体力も落ちていったりしてしまうのが、在宅療養の現状ですもんね。

ましてや、「週1時間とか2時間程度で何が変わるのか?」とずっと考えていました。実際行ってみると、たった30分だとしても、バイタルを計って、生活の様子を聞いてということで微妙な変化を察知したり、訪問看護スタッフが来ることを楽しみにしてくださる患者さまもいらっしゃることを知りました。それに、たった1~2時間でも、普段付きっきりで介護をされているご家族には貴重な時間ですよね。それまでの僕にとって、ご家族は看護の対象ではなかったんですよ。今回の実習があったからこそ、レスパイトケアの重要性も、より深く理解することができましたね。

3週間の在宅実習中に多くの学びがあったわけですね。今日はありがとうございました。

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区の高齢者福祉の概要がまとめられてプリントを、領域開始前に読み込んで、対応できるようにしていた。下には、事前学習等で調べた内容がまとまっている。

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