先輩看護師の実習記録インタビュー
先輩看護師の実習記録インタビュー

第8回 統合実習

今回インタビューを受けてくれた先輩
Iさん
・お住まい:東京都
・年齢性別:20代男性
・対象実習:統合実習

先輩看護師の実習記録インタビュー

●統合実習でチームナーシングを体験


統合実習は、学校・病院によって内容が異なるようですが、Iさんはどのような統合実習を経験されましたか?

チームナーシングを体験する実習でした!
6人チームで6人の患者さんを受け持つのですが、毎日交代でリーダーを担当して、指示を出す側と出される側のどちらも体験します。

どのような流れで行われるのでしょうか?

初めの4日間、リーダー役の学生は師長のシャドウを通して、指示出し業務について学びます。その他の学生は、患者さんのケアをおこないます。
残りの8日間は、リーダー役になった学生が、実際に指示出しをおこなう……という12日間の実習でした。

面白そうですね!リーダーはどんな役割なんでしょうか?

チーム全体の仕事を把握して、優先順位を判断し、チームメンバーに割り振ることですね。
少しややこしいんですが……
6人チームは2人ペア3組に分かれていて、2人の患者さんのケアを2人ペアで行っていきます。つまり、リーダーとペアだった人は、1人で2人の患者さんのケアを行うことになってしまいます。ここで、リーダーの出番です!他のペアのメンバーに、仕事を割り振っていくんです。

もちろんIさんも、リーダーを担当されたんですよね?

はい!
僕は、初日と最終日のリーダーを担当しました!

2回も担当されたんですか?

そうです。6人チームで8日分のリーダーを選ぶわけですから、2人だけは2回リーダーを担当できるんです。

なるほど……。初日のリーダー体験は、どうでしたか?

もうね……正直、わけがわからなかったです!(笑)
計画は立ててあるのですが、やらなきゃいけないことが全然終わらなくて……。
夕方のカンファレンスは反省会と化して、なぜできなかったのか話し合いました。

何が原因で、計画通りできなかったのでしょうか?

まず、物品の場所がわからなくて、無駄な時間を取られてしまっていたというのが一点目です。
二点目は、チームメンバー同士で報連相ができていなかったことですね。今、誰がどこにいるのかを把握できず、仕事を依頼したくても探し回るのに時間を取られてしまっていたと思います。

二点目の報連相については、どのように改善されたのでしょうか?

それはですね……紙に書いて共有するようにしたんです!

紙ですか?

A3の紙に毎日プランを書いて貼りだしていたのですが、自分がどこにいくのかを必ずその紙に書き込んでいくんです。「I(ご本人の名前)、○○さんのケアへ行く」という感じです。みんなの連絡掲示板のような感じですね。

良いアイデアですね!メンバーの行動把握はできるようになりましたか?

この方法で、かなり把握ができるようになりましたね!
それ以外にも、みんなでルールを決めていて、「何か伝える時には相手が頷くまで言おう!」と決めていました。何事も、言ったつもりでは、意味がないんです。きちんと伝わらなければ、意味がない。看護師の報連相不足が原因で、患者さんに万が一のことがあったら、大問題ですからね。

そうですよね……。

これらのアイデアを初日・2日目のカンファレンスで話し合って導入したおかげで、最終日にはかなりスムーズに全員が動けるようになり、時間が余ることもありました!最終日のチームワークは、我ながら本当に気持ちがよかったですね!

報連相の重要性を改めて実感する経験になりましたね!

●病院からMVPと評される


統合実習中、一番思い出に残っていることはなんですか?

チームの内のメンバーが受け持っていた、70代男性、独居の末期がんの患者さんとの関わりですね。

実習で末期の患者さんを担当することは、珍しいですよね。

そうですよね。
ご本人は理解力がしっかりしていて、もう病気が治らないことも、病院で死を迎えることも理解していましたが、死に対してとてもネガティブになってしまっていて……。トイレに行くためにしかベッドから起き上がらず、食事すら摂ってくれない状態でした。
その患者さんを担当するメンバーから、「どうしたら、食事を摂ってくれるか?」とチームに投げかけがあり、カンファレンスで話し合いを始めたんです。

どのように話し合いを進めたんでしょうか?

まず、患者さんに「なぜ食事を食べないのか」を聞いたところ、「美味しくない病院食なんて、食べたくない」と。歯磨きもしておらず、口内は真っ白に汚れていて、味がわかりづらくなっていたことも要因のひとつだったと思います。
そこで、食事に対してモチベーションを上げてもらおうと、患者さんが好きな食べ物を調べたところ、カレーだとわかり、どうにかして患者さんにカレーを食べてもらおうと、みんなで奮闘しました。

その後どうなったんですか?気になります!

実は、抗がん剤治療を行っている方は、香辛料がたくさん入ったカレーを食べられないんです……。
僕たちの議論を見ていた指導者さんが、NST(栄養サポートチーム)にカレーの話を提案してくれ、なんと、NSTが患者さんでも食べられるカレーチューブを探してくれたんです!
患者さんに、「大好きなカレーを食べられるように、歯磨きをしましょう!」と働きかけたところ、進んで歯磨きをしてくれ、最後にはカレーチューブを無事に食べることができたんです!

素敵なエピソードですね……!

僕たち学生と患者さんの関わりが、病院からも評価されて、病院報で「MVPだ」と言ってもらえたんです!とても嬉しかったですね……。
残念なことに、翌年の初めにその方は亡くなったのですが、病院から学校に連絡をもらったんです!そんなこと、なかなかありませんよね。

病院からも相当評価していただいたんですね。素晴らしいです!

病院から評価してもらえたことももちろん嬉しかったですが、患者さんが、少しでも前向きに、死を迎えるまでの余生を生きることができたのが、何より嬉しかったです!
カレーチューブを食べた後も、自分から歯磨きに洗面台に行ってくれるようになったんですよ。もともと仕事をされていた方だったので、覇気のない自分の姿を鏡で見るのがいやだったんだそうです。

それは嬉しい変化ですね……!!!

他の実習では、どうしても疾患に対するケアが中心になってしまっていたと感じていて。
これほどまで、医師・栄養士などたくさんの人達を巻き込み、一人の患者さんを社会の一員として見てあげられるのは、統合実習ならではだと感じました。
カンファレンス中の場面で、その患者さんを担当していた学生が言っていた言葉が、とても記憶に残っています。「こんなに患者さんと一対一で密に関われるのは、実習中の特権で贅沢なこと。実際に働き始めたら、こんなに時間を割くことはできない。」と泣きながら話してくれました。本当にその通りだなと。
実は、僕が看護師を志したきっかけも、ある「がん患者さん」だったので、チームにとっても僕にとっても、思い出に残る体験になりました。

●統合実習で一番学びが大きかったこと


Iさんにとって、統合実習から得られた一番の学びは、どんなことでしょうか?

実のところ、それまで、「自分だけが良ければ良い」と思ってしまっていた部分があったんですが、統合実習を通して、周囲のために率先して動くことの重要性を学びました。

具体的には、どのような時にそう感じましたか?

実習当初、自分の担当する患者さんのケアを優先して行いたくて、他の患者さんのケアを手伝うのがイヤだと思ってしまう時がありました。
そう考えているうちは、チーム全体がうまく機能しなくて。学校の先生にも相談はしたのですが、打開策が見つからなくて困っていたんです。

どうやってその状況を打破したんでしょうか?

自分の担当でない患者さんのケアを率先して行うことが、回りまわって、自分の患者さんのケアをしっかり行うことに繋がっているんだと、実習帰りの電車でふと気づいたんです。
チームメンバーの動きをよく見て、積極的に手伝うようになってから、仕事がうまく回るようになった気がします。
実は僕は、すでに就職して1年目なのですが、これは、今の仕事でも非常に活きていることです。

●男性ナースだということを強みにしたい


女性が多い看護師という職種ですが、男性だということで苦労することはありますか?

うーん、むしろ、僕は男性であることを強みにしたいと思っています。
男性しか気づけないことや、男性だから患者さんを救えることもあると思うんです!

例えばどのような点でしょうか?

僕自身、入院経験があって、「男性看護師さんの方が、遠慮なく頼めるな……」と感じたことがありました。
また、一般的に、男性は女性には自分の弱さを見せたくない、という面がありますよね。臨床での僕の実体験として、「男同士なんですから!」なんて一言で、信頼関係が深まることもあります。

現在は、透析専門の病院に勤務されているそうですね。透析を選んだ理由を教えてください。

僕は、29歳で正看護師資格を取得したので、ストレートで資格を取得される方々と比べると約10年の差があるんです。その差を埋めることは、正直、簡単ではないと思っていて。専門性の高い分野である糖尿病・人口透析を極めることにしたんです!
僕は、透析は患者さん自身が治すものだと思っています。要は、病院にいない時間、患者さんの過ごし方次第なんです。だからこそ、その方の意思や”らしさ”を尊重してあげたいと、いつも考えるようにしています。
透析は、男性患者さんも多いので、ナースマンとして貢献して、スペシャリストを目指したいと思っています!

素敵なお話ありがとうございました!透析のプロフェッショナルとして今後の活躍をお祈りしております!

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現在、職場で使っている自作資料と参考書。
自作資料は、ポケットサイズ。
「結局、国試にでるような解剖生理などの知識が、大切だったりするんですよね。」「勤務中にわからないことがあればすぐにメモして、家で毎日勉強するのにも使っています。」とのこと。
参考書は、シャントの作り方・詰まったときの処置方法など、いつも参考にしているもの。

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