看護師 実習レポート

■ かんごシカのシっカり国試解説!

今月は褥瘡(じょくそう)に関する問題じゃ。

■ 今月の問題

う〜ん…

正解は①よ。 体位変換は原則的には2時間ごとに行うの。体位変換後に身体の下側のマットレスで圧迫された部位の皮膚に発赤が見られれば、その部位に褥瘡発生の危険性があるから、体位変換間隔を短くするのよ。

その通り。
詳しく解説するぞ。


【解説】

国試の定番、褥瘡。床ずれともいわれておるな。寝具や車椅子と人体の接触部分の血流不良などで起こる皮膚障害のことで、寝たきりの患者などには深刻な問題じゃ。

療養生活を支える看護活動では、この知識がないことには何も始まらないわ。状況設定問題を解く重要な鍵にもなるので国試対策としてしっかり勉強していきましょう。

褥瘡とは

褥瘡とは

いわゆる床ずれのことである。生体局所の長時間の圧迫による循環障害のために起こる組織の壊死のことで、褥瘡好発部位は、主に骨突出部であり、体位により異なる。また、皮膚表面とベッドなどとの摩擦やずれ、便や尿による汚染や発汗などによる湿潤を防ぐことも重要である。

高齢者の場合、蛋白質・エネルギーの低栄養状態による褥瘡リスクを持っている場合があり、栄養状態の改善も組織耐久性を高め、褥瘡の予防や回復に重要な働きをもたらす。

褥瘡のアセスメントを見ていくぞ。

はーい!

褥瘡のリスクアセスメント

褥瘡発生を予測するには、褥瘡発生要因を適切な時期に的確に抽出する必要がある。このリスクアセスメントに用いられるツールはブレーデンスケールである。また、米国褥瘡諮問委員会(National Pressure Ulcer Advisory Panel:NPUAP)が提唱した褥瘡の深達度を表す分類も使用される。

ブレーデンスケール

褥瘡発生要因の中で看護が独自に観察できる6項目を抽出し、点数化したものである。合計6〜23点で、点数が低いほど褥瘡発生リスクが高い。日本では看護力が大きい病院では14点、看護力が小さい施設などでは17点以下を褥瘡発生危険点との目安としている。2点以下の項目に対してケア計画を立案し、近くの認知・可動性・活動性の項目でリスクがあると判断された場合には除圧ケアを、湿潤・摩擦とずれの要因に対してはスキンケア、栄養状態に関連する要因には栄養管理ケア計画を立案し、実施する。

知覚の認知 1.全く知覚なし 2.重度障害あり 3.軽度障害あり 4.障害なし
湿潤 1.常に湿潤 2.たいてい湿潤 3.時々湿潤 4.めったになし
活動性 1.臥床 2.座位可能 3.時々歩行可能 4.歩行可能
可動性 1.全く体動なし 2.非常に限定 3.やや限定 4.自由に体動
栄養状態 1.不良 2.やや不良 3.良好 4.非常に良好
摩擦とズレ 1.問題あり 2.潜在的に問題あり 3.問題なし

NPUAP分類

褥瘡の深達度を表す分類のひとつで、米国褥瘡諮問委員会(National Pressure Ulcer Advisory Panel:NPUAP)が1989 年に提唱したステージングシステムである。NPUAP分類ではDTI(deep tissue injury:深部損傷褥瘡疑い)、ステージI・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ、さらに褥瘡の深達度ⅢかIVか判断できない場合の「判定不能」(Unstageable)の6ステージとなっている。

【DTI疑い】 圧力や擦れによって生じた皮下軟部組織の損傷の事で、限局性の紫または栗色の皮膚変色または血疱がみられる。 DTI疑い
【ステージⅠ】
持続する発赤
骨の突出部位に限局し表皮までの深さ。発赤で圧迫しても退色しない。皮膚損傷なし。周囲の組織と比較して知覚(疼痛・掻痒)を伴い、組織の密度(硬い、または泥のような感じ)、皮膚温(暖かい、または冷たい)の感覚がある。 ステージⅠ
【ステージⅡ】
真皮までの損傷
真皮までの深さ。皮膚欠損あり。部分層創傷で皮膚の損傷は表面的である。表皮剥離、水疱、浅い潰瘍がみられる。黄色壊死組織(スラフ)を伴わず、赤色または薄赤色の創底を持つ。 ステージⅡ
【ステージⅢ】
皮下組織までの損傷
筋膜まで及ぶが、筋膜を越えない皮下組織にいたる全層の創傷。深さのあるクレーター上にポケットや瘻孔の形成がみられる。皮下脂肪は確認できるが、骨・腱・筋肉は露出していないことが多い。 ステージⅢ
【ステージIV】
皮下組織を越える損傷・関節腔・体腔に至る損傷
皮膚全層の欠損に加え、広範な組織壊死が存在し、皮下組織を越える損傷である。筋肉、骨、支持組織に欠損が及ぶ。ポケット形成や広範囲な瘻孔がみられる。 ステージIV
【判定不能】
深さ判定が不能な場合
潰瘍の底面が黄色壊死組織(スラフ)や褐色・黒色壊死組織(エスカー)で覆われている。全層組織欠損で欠損・深さが不明。深達度ステージがⅢかⅣかが判断できない。 判定不能

予防についても説明するぞ!

ふむふむ。

褥瘡の予防

①体位変換
褥瘡予防のために体位変換を原則として2時間おきに行い、局所の除圧に努める必要がある。例えば、硬いベッド上の仰臥位では仙骨(尾骶骨)部に200mmHg前後の体圧が集中するが、通常この部位の毛細血管圧は30mmHg前後とされているので、当然、仙骨部の血流は途絶する。200mmHg以上の持続性圧迫が2時間以上加わると皮膚には壊死が生じるので、看護ケアにおいては2時間ごとの体位変換が強調される。
②体圧分散寝具の使用
患者の状態によって体位変換が行えない場合は、体圧分散寝具の種類の変更を考慮し、クッションなどを用いて骨突起部を浮かせるなどして圧力を分散させる。
  • 体圧分散用具の目的
  • 1)「沈み込み」や「包み込み」により突出部の圧力を低くする(身体の接触面を増やす)。
    2)「接触部位を変える」ことによって接触圧を低くする。
    ケア環境等も考慮に入れて選択する。特に自力体位変換が出来ない人には、圧切りかえ型エアマットレスの使用が勧められている。
  • 標準マットレス
    標準マットレス マットレス面がかたく、体を支える点が骨突起部に集中して危険度が高い。
  • 静止型
    静止型 身体がマットレスに沈み込むことによって、マットレスとの接触面積が広くなり、圧力が減少。
  • 圧切りかえ型
    圧切りかえ型 マットレスに空気が出入りして、骨突起部にかかる体圧が一時的に減少。
③踵部除圧
踵部除圧 踵部は面積が狭いので、仰臥位時の体圧が高く、褥瘡好発部位とされている。除圧ケアとして下腿部にクッションを当て、踵部全体を浮かせる。 *踵部の除圧に円座を使うのは禁忌例としてよく挙げられます。
④ズレ力の防止
頭側挙上するに従って、上半身の体重が臀部に集中するため、ベッドでの頭側挙上は30度までとされている。また頭側挙上直後はマットレスと身体との接触面に強いズレ力が生じているので、体を一時的にベッドから離すことによって、ずれを解放する背抜きを行う。

褥瘡の治療

ぬり薬
褥瘡に使えるぬり薬(外用剤)には油脂性(油分により創面を保護する)、乳剤性(乾燥した組織に水分を与える)、水溶性(浸出液を吸収する)などがある。基剤の性質は、選択の重要なポイントとなる。
ドレッシング
傷から出てくる滲出液は蛋白に富み、創傷治癒にかかわるさまざまな成分を含むため、創部を医療用材料のドレッシング材で覆うことにより湿潤環境を維持して、適切な量を傷周囲に保持することで創傷治癒を促す。
消毒・洗浄
傷とその周りの汚れや菌を洗い流すにあたっては、「十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄する」ことが推奨されている。
手術
創傷治癒促進のため傷に付着している壊死組織(皮膚やその下の組織の死骸)を切り取る外科的デブリードマンと患者自身の皮膚などを用いて傷を閉じる再建術がある。

国試では、褥瘡予防に関して「2時間ごとの体位変換」に関する問題もかなりの頻度で出題されているわ。
「2時間ごと」を「4時間ごと」と言い換えて×選択肢としたり、2時間ごととあっても、「夜中に」というフレーズを加えて、毎日、夜中に2時間ごとに体位変換を行う大変さを考えると、体圧分散式の寝具を使用する方を優先するとして、×選択肢になっていたりもするのよ。

状況設定問題では、家族の介護力と褥瘡予防指導をしっかりアセスメントできるかどうかを問う問題も多いので、今回のように基本情報を必ず復習しておきたいものじゃな。

■ 類似問題【国試97回 午前問題68】

ブレーデンスケールは褥瘡の発生のリスクを把握するための指標なのよ。

正解は④

■ 類似問題【国試102回 午後問題57】

夜間の2時間ごとの体位変換は家族負担が大きいので、体圧分散マットの使用で悪化を防ぐの。

正解は①

■ 類似問題【国試103回追加試験 午後問題25】

皮下組織までの損傷はNPUAPのステージ分類におけるステージⅢよ。

正解は③


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