2016年(第105回) 看護師国家試験 午前

<長文問題> 次の文を読み91~93の問いに答えよ。Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で通院加療中である。 1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3 ℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>89%であった。ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧<PaO2>60 Torr、動脈血炭酸ガス分圧<PaCO2>68 Torr、pH 7.29 であった。

問題93 : Aさんは、胸部エックス線写真で右中下肺野の浸潤影が認められ、膿性の痰が吸引されている。このときの体位ドレナージで最も効果的なのはどれか。

  • 1. 右30°側臥位
  • 2. 左30°側臥位
  • 3. 右前傾側臥位
  • 4. 左前傾側臥位
  • 5. 腹臥位

<長文問題> 次の文を読み94~96の問いに答えよ。Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。

問題94 : 確定診断のために必要な検査はどれか。

  • 1. 腎生検
  • 2. 尿細胞診
  • 3. 腎血管造影
  • 4. 腹部超音波検査
  • 5. 腎シンチグラフィ

<長文問題> 次の文を読み94~96の問いに答えよ。Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。

問題95 : AさんはIgA 腎症(IgA nephropathy)と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。入院前は塩辛いものが好物で外食が多かったAさんは「味が薄くて食べた気がしない。退院後も続けられるかな」と話している。このときの対応で最も適切なのはどれか。

  • 1. 「つらいですが慣れてきます」
  • 2. 「最初に甘いものを食べてください」
  • 3. 「各食事で均等に塩分を摂取しましょう」
  • 4. 「酸味や香味を利用するとよいでしょう」
  • 5. 「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」

<長文問題> 次の文を読み94~96の問いに答えよ。Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。

問題96 : Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。

  • 1. 輸血
  • 2. 血液透析
  • 3. 利尿薬の内服
  • 4. 胸腔ドレナージ
  • 5. 降圧薬の点滴静脈内注射

<長文問題> 次の文を読み97~99の問いに答えよ。Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

問題97 : 入所時の身長170 cm、体重50 kg。1か月間で体重が3kg減少した。血液検査データは、血清アルブミン3.2 g/dL、CRP 0.1 mg/dL。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回である。Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

  • 1. 流動食が必要である。
  • 2. 炎症反応が続いている。
  • 3. 認知症(dementia)による摂食行動の問題がある。
  • 4. タンパク質・エネルギー低栄養状態<PEM>である。

<長文問題> 次の文を読み97~99の問いに答えよ。Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

問題98 : 介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。このときの面談内容で適切なのはどれか。

  • 1. 自宅の改修を提案する。
  • 2. ベッド上安静の必要性を説明する。
  • 3. 急変時の救急搬送の希望を確認する。
  • 4. 通所リハビリテーションの利用を提案する。

<長文問題> 次の文を読み97~99の問いに答えよ。Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

問題99 : 入所後3日。Aさんは「家では朝起きてすぐに歯磨きをして、口の中をすっきりさせて1日が始まった。ここでは、歯磨きは食後に介助すると言われたが、私は嫌だ」と言い、不満な様子である。Aさんはベッドから車椅子への移乗に介助が必要であるが、歯ブラシとコップとを用いて自分で歯磨きができる。このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

  • 1. 朝食前の歯磨きは効果がないと説明する。
  • 2. 朝食前の歯磨きの習慣を変更するように勧める。
  • 3. 朝食前の歯磨きの援助方法をAさんと相談する。
  • 4. 朝食前は職員が少ないので対応できないと謝罪する。

<長文問題> 次の文を読み100~102の問いに答えよ。A君 (6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0 ℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎(gastroenteritis)と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5 ℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。

問題100 : このときのA君に行う看護として最も適切なのはどれか。

  • 1. 起座位をとらせる。
  • 2. 食事の開始を検討する。
  • 3. 好きな玩具で遊ばせる。
  • 4. 痛みの程度を評価する。
  • 5. 解熱鎮痛薬を服薬させる。

<長文問題> 次の文を読み100~102の問いに答えよ。A君 (6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0 ℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎(gastroenteritis)と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5 ℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。

問題101 : A君は病室内のトイレで排泄をしていた。看護師はマスク、手袋およびエプロンを着用しA君の排泄介助を行っていると、下着に便が付着していることに気付いた。看護師は、すぐにA君の下着を脱がせ流水で便を洗い流した。下着の処理の方法で正しいのはどれか。

  • 1. 病室内のゴミ箱に捨てる。
  • 2. 病室内でエタノールに浸す。
  • 3. 病室内で次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸す。
  • 4. 病室外の汚物処理室の感染性廃棄物用の容器に捨てる。

<長文問題> 次の文を読み100~102の問いに答えよ。A君 (6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0 ℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎(gastroenteritis)と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5 ℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。

問題102 : 入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

  • 1. 「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」
  • 2. 「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」
  • 3. 「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」
  • 4. 「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」

<長文問題> 次の文を読み103~105の問いに答えよ。Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛(anal atresia with a low lesion)と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。

問題103 : 受診時の観察項目で優先度が高いのはどれか。

  • 1. 活気
  • 2. 腹部膨満
  • 3. 腹部腫瘤
  • 4. チアノーゼ

<長文問題> 次の文を読み103~105の問いに答えよ。Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛(anal atresia with a low lesion)と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。

問題104 : Aちゃんは、定期受診の1か月後、予定どおり会陰式肛門形成術を行った。術後2日、1日に6回の排便があり、造設された肛門周囲に発赤がみられている。排便後の対応で最も適切なのはどれか。

  • 1. 石けんで洗浄する。
  • 2. 微温湯で洗浄する。
  • 3. お尻拭きシートで拭き取る。
  • 4. ポビドンヨードで消毒をする。

<長文問題> 次の文を読み103~105の問いに答えよ。Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛(anal atresia with a low lesion)と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。

問題105 : 術後2週、全身状態や創部の状態が安定し、肛門拡張のためのブジーが開始された。退院後もブジーを継続するため母親に指導を行うことになった。ブジーの指導で正しいのはどれか。2つ選べ。

  • 1. 「食後は避けてください」
  • 2. 「腹臥位で行ってください」
  • 3. 「できるだけ深く入れてください」
  • 4. 「排便があった日は行わなくてよいです」
  • 5. 「直腸の向きに沿ってゆっくり入れてください」

<長文問題> 次の文を読み106~108の問いに答えよ。Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症<STD>(sexually transmitted disease)を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8 ℃、脈拍62/分であった。

問題106 : Aさんの状態に最もあてはまる性感染症<STD>(sexually transmitted disease)はどれか。

  • 1. 性器ヘルペス(genital herpes)
  • 2. 尖圭コンジローマ(condyloma acuminatum)
  • 3. 腟トリコモナス症(vaginal tricomonas infection)
  • 4. 性器クラミジア感染症(genital chlamydiosis)

<長文問題> 次の文を読み106~108の問いに答えよ。Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症<STD>(sexually transmitted disease)を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8 ℃、脈拍62/分であった。

問題107 : Aさんは「彼とは交際を続けたいので、性感染症<STD>(sexually transmitted disease)のことは黙っていてもよいですか。今日、相談に来たことも彼には話していません」と看護師に話した。Aさんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

  • 1. パートナーには話さなくてもよいと伝える。
  • 2. パートナーに来院を促す電話をすると伝える。
  • 3. Aさんが通う大学の保健センターの看護師に相談するよう勧める。
  • 4. 性感染症<STD>(sexually transmitted disease)に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。