看護師国家試験の合格率 ボーダーライン
看護師国家試験の合格率 ボーダーライン

■どうして看護学校現役でないと合格率が低くなるの?


看護師学校現役受験と既卒受験の合格率の差

看護師国家試験を受験しようと考えている方なら、もうすでにネットや過去問結果を調べて合格率はご存知でしょう。【合格率90%】。この数字をよく目にするのではないでしょうか。成績上位およそ90%の受験者が合格する国家試験はなかなか珍しいといえます。これは看護師国家試験が人員を絞るための、いわば『落とす試験』でなく、技術と知識を持った志願者を多く募るための『集める試験』だからです。この合格率は20年以上も大きな変化がなく、今後も看護師の需要が減らない限りは合格者の割合が大きく変わる事はないと思われます。つまり、あなたが不合格になる可能性はたったの10%という事になります。
しかし看護師国家試験を甘く見てはいけません。【合格率90%】というのは看護師学校や予備校に通う、いわゆる現役受験生の合格率です。では、既卒者の合格率はどうなっているのでしょうか。ここで過去7年を遡って現役生と既卒生の合格率を比較してみましょう。

【現役生と既卒生別の合格率】
第106回(平成29年) 現役生94.3% 既卒生35.6%
第105回(平成28年) 現役生94.9% 既卒生35.5%
第104回(平成27年) 現役生95.5% 既卒生39.2%
第103回(平成26年) 現役生95.1% 既卒生42.5%
第102回(平成25年) 現役生94.1% 既卒生35.7%
第101回(平成24年) 現役生90.1% 既卒生33.7%
第100回(平成23年) 現役生91.8% 既卒生51.6%

いかがでしょうか……。この差は一目瞭然ですね。毎年、看護学校現役生の合格率が90%以上であるのに対して、既卒生の合格率は平均して40%に満たない状態になっています。特に低い回では35%を割ってしまう事もあります。そして年々既卒生の合格率が減りつつあるのにお気づきでしょうか。
ここで「待ってよ! 全体の合格率が90%以上なのに、既卒生だけ抜き出したら40%以下っておかしくない!?」という意見が出るかもしれません。実は、ここには数字のトリックが潜んでいるのです。
たとえば第106回(平成29年)のデータを見てみましょう。第106回(平成29年)の現役生受験者数は56,381人に対し、既卒生受験者数はたったの6,153人でした。既卒生受験者およそ9分の1しかいません。つまり圧倒的な受験者数の現役生に対し、既卒生はわずかしか受験していないのです。そして現役生は56,381人中53,177人(94.3%)が合格し、既卒生は6,153人中2,190人(35.6%)が合格。トータルの割合を見ると合格率88.5%となるのです。
この結果を見る限り、看護師国家試験は既卒で受験するとかなり苦戦する狭き門となってしまうようです。やはり現役で突破するのが最善と言えるでしょう。

どうして大きな差が生まれてしまうの?

その違いはズバリ環境の差でしょう。現役生と既卒生では、自分の身が置かれている環境が大きく違うのです。
合格率で難易度を判断してはいけません。90%といえども勉強する内容は膨大にあります。もちろん効率よく暗記できる人もいれば、そうでない人もいます。しかし看護学校や予備校に通っている現役生なら、多少効率が悪かろうと無理矢理にでも勉強する事になります。看護師国家試験にかかわらず、勉強というものは『慣れ』です。思い出してください。中学生の頃、英単語をoneまでten暗記するだけでヒーヒー言っていたのに、中学三年の高校受験前には単語20個くらいなら30分で暗記できるようになっていませんでしたか。なかなか最初は頭に入らずもどかしい思いをしていても、それでも諦めずに勉強しているうちに脳が『勉強慣れ』してきて、情報を整理してインプットしやすくなるのです。
現役生は国家試験前に備える時間を確保しやすいのです。看護学校で卒業論文を提出して、単位認定試験が終わるのは12月中頃あたりでしょう。国家試験が行われるのは例年2月か3月です。それまで最低でも2か月間は国家試験の勉強に専念できる時間が手に入ります。
それに加えて在学中であれば、看護学校の講師に質問や相談ができます。信頼できる先生の言葉をもらえたら、いくらか気持ちもリラックスするでしょう。さらには周りには同じ資格を目指す仲間がたくさんいます。合格率の高い試験ですから椅子取りゲームのライバルではありません。看護学校の同級生は素直に励まし合える仲間なのです。同じ環境に同じ試験を受ける者が大勢いれば心強いものです。お互いが触発し合って刺激を受け、モチベーションも高まります。
一方、既卒生の環境はどうでしょうか。看護学校を卒業してしまうと、周りに国家試験を目指す仲間はいなくなってしまいます。自宅や図書館で、一人で受験勉強をする毎日が続いてゆくのです。次のチャンスは一年後……、もちろん何もしなければ勉強した内容は次々と忘れてゆきます。一度覚えた勉強内容を一年間保持するのは、新しく何かを覚えるのと同じくらい困難な事です。どうです、中学で暗記した『平家物語』や『春はあけぼの』をまだ暗唱できますか。勉強するように檄を入れてくれる講師もいなければ、定期的に習熟度を測るテストもありません。すべての勉強スケジュールを自分で管理しなければならなくなるのです。モチベーションを保つだけでもひと苦労しそうですね。
看護学生の時代と比べると、時間の確保も困難になってきます。実家に根を下ろして「よしっ、今年一年はみっちり勉強漬けだ!」という環境が作れるのなら問題ありません。しかし家庭の方針によって「働きなさい!」と言われる場合もあるでしょうし、もともと一人暮らしを始めている場合もあるでしょう。そうなったら国家試験勉強の優先順位は仕事の後になってしまいます。看護師助手やその他の仕事の合間を縫って勉強するとなれば、体力的にもかなり消耗します。よほどの体力と精神力が無ければ一年は続けられない生活になるでしょう。
なにより心配なのは、既卒生ということはいちど不合格になっているという事です。不合格というのは精神的ダメージが大きいものです。そのダメージは再び挑戦して合格するか、もしくは完全に諦めてしまうまで払拭できません。再チャレンジのプレッシャーは初めての試験の比ではないはずです。つねに「また落ちたら一年が無駄になる……」という不安が付きまとい、その圧力に一年間も耐えながら勉強しなくてはならないのです。
このように体力面・精神面・金銭面から勉強を後回しにしなければならなくなります。そうでなくても誘惑の多い世の中です。何気なくスマートフォンを触ったりインターネットを開いたりしているうちに、いつのまにか何時間もの時が過ぎ去っていた経験を持っていませんか。それらをコントロールし克己するのも全て自分の責任になってしまうのです。 こういった様々な理由が寄せ集まって、看護師国家試験の準備がおろそかになってしまう事が予想されます。その結果として、既卒生の合格率が大きく下がってしまっているのでしょう。

さいごに

絶対に現役で合格しましょう。中には「ま、看護師国家試験なんて毎年あるし……」と考えていた人もいるかもしれません。しかしよく考えてみてください……。
この合格率の低い中から合格を勝ち取る既卒生は、間違いなくただ者ではありません。ラッキーで合格したのでなく、既卒生の苦難を乗り越えて栄光を勝ち取った勇者です。生半可な覚悟と努力ではなかったでしょう。そんな強敵と張り合うくらいなら、看護学校でたっぷり時間を使って真面目に勉強して一発合格する方がすっと現実的です。

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