看護師国家試験の合格率 ボーダーライン
看護師国家試験の合格率 ボーダーライン

■看護師国家試験の対策勉強って、どうやったらいいの?


はじめに

ここであらためて看護師国家試験の問題構成を簡単におさらいしておきましょう。

【必修問題】
例年50点分出題され、そのうち40点(得点率90パーセント)を越えないといけません。不足分を一般問題・状況設定問題の得点でもカバーできません。

【一般問題・状況設定問題】
例年、配点とボーダーラインは難易度と全体得点率によって変動します。だいたい250点分ほど出題され、そのうちおよそ150点から160点(得点率60から65パーセント)が合格ボーダーラインになります。正確な合格ボーダーラインは合格発表と同時に公開されます。

どのレベルまで勉強しておけばいいの?

もちろんテキストの隅から隅まで完璧に暗記……と言いたいところですが、なかなか現実的には難しいものです。どこを念入りに勉強するか優先順を付けましょう。他の受験者と差をつけるために、難しい問題やみんなが間違えそうな問題を中心に勉強しておこう、と考える人もいるかもしれません。しかしそれは良い作戦とは言えません。
テキストを前から順番に手当たりしだい頭に詰め込んでゆくのも良くありません。人間の頭には限界があります。どんなに賢い人でもいずれはメモリーの限界がくるでしょう。そこで「必要な分野を優先的に勉強する」作戦です。数年分の過去問を解いてみてください。すると「あ、この問題みたことがあるぞ」「毎回この問題出ているなあ」といった設問に出会うはずです。それがいわゆる「よく出る問題」であり「必要な分野」なのです。頻出問題を体で覚えて、本番の国家試験の問題構成イメージを脳内に作っていきましょう。
過去問の正答率データを確認してください。そこで正答率70パーセント以上の問題を中心に勉強するのが得策です。つまり他の受験者のほとんどが正解する問題をミスなく確実に正答してゆく事がポイントです。
過去の国家試験のデータから、おおまかな目安を立てると『必修問題40点 一般・状況設定問題170点』が最低合格ラインと言ったところでしょうか。しかし『必修問題40点 一般・状況設定問題170点』を目標にしてはいけません。「満点取れるんじゃないかな」という自信を持てるくらい勉強しておくのが良いでしょう。的より少し遠くを狙って矢を射る要領です。
そして国家試験の全体像を把握して、「どの分野から何点以上とっておけば良いか」というところまで意識して学習計画を立てておくと勉強もはかどるでしょう。

よく出題される分野は?

看護師国家試験では看護学校で習った全ての分野からバランスよく均等に出題されているわけではありません。かなり偏りがあって、頻出する分野とあまり出題されない分野が決まっています。
過去の国家試験の頻出分野の上位10項目は以下の順になっています。

  • ①基礎看護学
    ②健康支援と社会保険制度
    ③母性看護学
    ④精神看護学
    ⑤成人看護学総論
    ⑥小児看護学
    ⑦在宅看護論
    ⑧脳・神経疾患(J章)
    ⑨老年看護学
    ⑩基礎医学

特に上位3つの分野は国家試験までに少なくとも三周はテキストを繰り返し解いておきましょう。①基礎看護学、②健康支援と社会保険制度、③母性看護学は『捨てたら不合格になる』分野です。苦手だったとしても諦めたりせず、絶対に取りこぼさないように準備しておかなくてはなりません。

不合格にならないための勉強法は?

看護師国家試験に合格するためには、まず不合格にならない事が必須です。「は? なに言ってんの?」と思われるかもしれませんが、これはとても大切な事なのです。つまり必修問題の合格ボーダーライン、得点率80パーセントをクリアするための勉強法です。
たとえ一般・状況設定問題の得点が満点であっても、必修問題でボーダーラインを1点でも割ってしまえば不合格になります。まずは必修問題で80パーセントを越える事が国家試験の最低合格ラインになるのです。では、どうやって必修問題の対策をすればよいのでしょうか。
ずばり過去問の演習を繰り返し行うのが最も効果的なのです。一般・状況設定問題と比較して、必修問題は過去の国家試験と同じ問題が出る割合が高くなっています。たとえば2017年の必修問題は、前年2016年の必修問題と同じような設問が30パーセント以上出題されていました。問題の使い回しとまではいきませんが、普通免許の筆記試験のように毎回ほぼ同系統の問題が出ているのです。
もしかして「模試や問題集で過去問の抜粋をやっているから大丈夫」と思っていませんか。絶対に本物の過去問を経験しておいてください。テキストでひと通り問題慣れしたら、必ず過去問で必修問題を何度も挑戦しましょう。どの回の過去問を解いても80パーセント以上正解できるようになれば安全ラインです。

合格するための勉強法は?

不合格にならないための対策をしたら、いよいよ次は合格するための対策です。
過去問を経験すると出題形式や問題構成がだいたい分かってくるでしょう。勘の良い人は出題傾向も掴めたかもしれません。同じ勉強時間を費やしても、どの範囲を勉強するかによって本番の得点率は大きく変わってきます。
小学校の算数のテストを思い出してください。たとえば出題範囲が『円』のテストだとすると、円周率を100ケタまで暗記するより、円の面積を求める問題演習をしている方が点数は上がりますね。極端な例でしたが、看護師国家試験も同じなのです。試験で役に立つ勉強をするのが一番の近道です。
では「どの範囲を勉強するか」というステップに進みましょう。簡単に言ってしまえば「よく出る問題」を勉強していれば得点につながりやすいのです。「じゃあ、どんな問題が出やすいの?」という質問の答えは、次の項目で紹介します。

分野別の過去問出題ランキング・

ここでは特に出題率の高い分野である「基礎看護学」「健康支援と社会保険制度」「母性看護学」の中でも、特によく出る出題項目を上位から順にまとめておきます。

  • ●基礎看護学●

    1.褥瘡
    2.誤嚥リスクのある患者の食事介助
    3.コミュニケーション
    4.酸素療法
    5.看護過程
    6.医の倫理・看護の倫理
    7.輸血
    8.経管栄養法(経鼻胃管・胃瘻・腸瘻)
    9.消毒・滅菌
    10.導尿
    11.患者の移動・移送
    12.採血

    ―解説―
    はっきり言います。この分野は捨てたら落ちます。
    この「基礎看護学」は国家試験全体での配点率は10パーセントもあります。なによりも注目してほしいのは必修問題で占める割合も20パーセント近くあるところです。つまり「基礎看護学」を捨て分野にしてしまうと、必修問題の合格ボーダーライン(得点率80パーセント)を割ってしまい、その時点で不合格となってしまうのです。
    “基礎”と言っても甘く見てはいけません。基礎だからこそ大切で、必修の分野なのです。他の分野に比べると基本的な技術と知識に関する項目ですが、試験本番前には必ずおさらいするようにしておきましょう。

  • ●健康支援と社会保険制度●

    1.介護保険制度
    2.精神保健福祉法
    3.介護保険:施設サービス
    4.保健師助産師看護師法
    5.医療保険制度
    6.介護保険:地域密着型サービス
    7.医療法
    8.労働基準法
    9.世帯構造
    10.人口構成
    11.死因・死因別死亡統計
    12.予防接種法
    13.障害者基本法
    14.国民健康・栄養調査

    ―解説―
    制度・法律・統計といった、いわゆる暗記ものの分野です。中学時代、社会が苦手だった人からすれば頭の痛くなる分野ではないでしょうか。つい後回しにしたくなりますが、必修問題でも20パーセント近くはこの「健康支援と社会保険制度」から出題されています。「基礎看護学」と同じく、絶対に捨てられない分野と言えるでしょう。
    暗記ものは時間がかかり、しかもこの分野はかなり広範囲になっています。毎日少しずつ英単語暗記の要領で単元を区切って覚えてゆきましょう。中でも出題率1位の「介護保険制度」は毎年必ず出題されています。他の受験生の正答率も高いはずですので、絶対に得点につなげるように準備しておきましょう。
    注意するポイントは「制度・法律・統計は毎年変わる」という事です。苦労して暗記したのに、古いデータだったというのはあまりにもったいないでしょう。勉強する時は先輩のおさがり参考書ではなく、必ず最新版の年度のテキストを使うようにしてください。

  • ●母性看護学●

    1.産褥の生理
    2.新生児の生理
    3.母乳栄養・授乳
    4.妊娠に伴う母体の変化
    5.急速遂娩
    6.低出生体重児
    7.分娩経過
    8.新生児の看護
    9.マタニティブルーズ
    10.妊娠の生理

    ―解説―
    この「母性看護学」を必修問題で見かける事はほとんどありません。しかし状況設定問題での出題率は全ての分野の中で最も高くなっています。状況設定問題は配点率も高いので、この分野が得点を稼ぐポイントになるでしょう。逆に言えば「母性看護学」をおろそかにすると、ほかの受験者に差を付けられてしまいます。特に「産褥の生理」の項目は近年では必ず出題されています。しっかり準備を整えておきましょう。

これから看護師国家試験の傾向はどう変化してゆくの?

第107回(2018年)の看護師国家試験から新しい出題基準が適応されます。その変化の兆候は第106回(2017年)の試験にも若干あらわれていました。おそらく今後は長文の問題が多く出題される事が予想されます。
問題が長文化してゆけば一題ずつに費やせる時間が少なくなり、今まで(過去問演習)と同じ時間配分ではタイムオーバーになってしまうおそれもあります。
普段の過去問演習から試験問題の全体を見渡すクセを付けておき、すぐ解けそうな問題と時間のかかりそうな問題を見分ける目を養っておきましょう。前半に厄介な長文問題が出て、それに時間を取られて最後まで問題を見られなかったとなっては堪りません。過去問を解くときは必ず時間を計り、即答できそうな問題から取り掛かることを習慣づけましょう。
特に状況設定問題は暗記だけでは太刀打ちできません。いかに現場でケースバイケースに対応できるかを試してくる問題です。問題文から必要なキーワードを素早く拾い上げ、持っている知識とリンクさせて柔軟に答えを導く訓練をしておきましょう。

おまけ

試験を受けてから発表まで時間を持て余す事になるでしょう。テストが終わった後にどうこうしても仕方がない、と頭で分かっていても合格発表までソワソワするのは仕方ありませんね。
一人でぼんやりしていると「あの問題は、みんな何て答えたんだろう」「問3って正解してるのかな」といった心配が頭をよぎります。
こんなサイトもあります→https://www.medicmedia-kango.com/minkota107/
自分の答えを項目に入力すると、全国のほかの受験者がどう回答したのかが分かる仕組みになっています。あくまで受験者同士の答え合わせになりますが、参考にしていただければと思います。

さいごに

いかがでしょう。看護師国家試験はただやみくもに勉強しまくれば良いというわけではありません。必ず出題傾向があって、よく出る分野を集中的に効率よく学習しておけば高得点を獲得する事が出来ます。
ほかの項目でも述べられていると思いますが、看護師国家試験はふるいに掛けて落とすための試験ではありません。一定条件を満たした受験者を広く募集するための試験です。覚える事も多いし難易度も高くて大変ですが、逆に考えれば合格基準を満たすと必ず得られる資格なのです。
たっぷり時間をかけて効率よく勉強し、余裕を持って試験にのぞみましょう。

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